My 30 Best Albums of 2015

2015年の年間ベスト30枚です。次点は髭、Neon Indian、hasu-flower、Link Wood、Noah、The Internet、Sherwood & Pinch、NOT WONK等。ではどうぞ。


30.Goldmund / Sometimes
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29.Arca / Mutant
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28.(((さらうんど))) / See You, Blue
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27.XINLISUPREME / 始発電車
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26.Roland Tings / S.T.
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25.DJ Richard / Grind
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24.ペトロールズ / Renaissance
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23.Especia / Primavera
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22.cero / Obscure Ride
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21.3776 / 3776を聴かない理由があるとすれば
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20.Base Ball Bear / C2
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19.Floating Points / Elaenia
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18.CFCF / The Colours of Lifef:id:codascene:20151224124039j:plain:w640


17.Pot-pourri / Archaic
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16.Russell Haswell / As Sure As Night Follows Day
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15.Homeshake / Midnight Snack
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14.Stefan Jós / Primitives
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13.Only Real / Jerk At the End of the Line
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12.Real Lies / Real Life
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11.Dawn of MIDI / Dysnomia
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10.Erizonte / Suite 'Los Caprichos de Goya'
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9.Radicalfashion / GARCON
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8.Spangle call Lilli Line / ghost is dead
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7.シャムキャッツ / TAKE CARE
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6.Happy Valley Rice Shower / S.T.
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5.Rival Consoles / Howl
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4.Viet Cong / S.T.
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3.Tapes / No Broken Hearts On This Factory Floor
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2.CICADA / BED ROOM
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1.3776 / ラブレター
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正直、2014年が10年代のピークで後は徐々に落ちると思ってたのですが、気付けば去年以上に充実した年になってました。まぁでも洋インディーロック一色にはなれず、ドローンに立ち向かうにも覚悟が足りず、アイドル追っかけられるほどお金ないし、各ジャンルに詳しい訳でもなく話題になってる盤をうっすら漁ってる日々でしたね今年も。一つのジャンルに精通することができず曖昧模糊に浮ついてます。こっそりロキノン系も忍ばせてるし。

トップは3776。一応去年末のリリースですが、D'Angeloが2015年枠になってるならこれだってアリじゃない、という想いもありつつ。今年リリースのももちろん素晴らしいんですけどね。インタールードの多様で明確にコンセプトアルバムとして提示してきて。でも今までアイドルアイドルしてる部分と歪な要素が良くも悪くも両極端だったのが、ついにガッチリとハマってニューウェーブ/ポストパンクの鋭利なギターとダビーなアプローチが気持ち悪くて気持ち良い「ラブレター」が最もインパクト強かったですね。

今年の顔を決めるとしたら絶対CICADA。R&Bもヒップホップもジャズ全く分からん状態の自分でも、丁寧に組み立ててJ-POP的に聴かすアルバムには熱中して、再生回数ブッチギリで1位でした。知識が無いくせ聴いた瞬間にこれは何かレビュー記事書かないと、とか謎の使命感に駆られたり。ブラックミュージックをJ-POPに落とし込むアーティストが多数登場したのは2015年の一つの大きな出来事ですが、自分にはCICADAがドンピシャで嵌りました。そういった他のバンドとのいちばんの違いはミニマリズムが通底してるところでしょうか。J-POPのフィールドでもエレクトロニカを通過したミニマルに纏める術はお見事としか。だからいくらでもアルバムをリピート出来る。そして音源のクールネスを伴いつつもライブの熱量が素晴らしい。若手一のライブバンドだと思います。それにしても、ライブでアイドルやマルチネ界隈と積極的に共演し、各ジャケットはVo.の女の子をフィーチャーして売れるためのフックというか用意がひぇ〜ってなるくらい末恐ろしく周到。インタビューでもメジャー志向と言ってるし売れてほしい次第であります。5月のクアトロワンマン行きましょう。

3776もそうだけどダビーなものに惹かれるもので、Tapesのデジタル・ダンスホール・レゲエは激烈でした。ちゃちでチープな音色がダブの哀愁を強めるじゃありませんか。メランコリックな音というのはジャンル問わず好み。宅録だからレゲエ本来の土着的な薫りは無く、かと言ってダブステップみたいな洗練されたテクノミュージックでもない、何とも言いがたい感じは面白いです。(来日公演見逃して後悔してるアクトNo.1...!)

宅録繋がりだと、Happy Valley Rice Showerのローファイ音質で鳴らされるシューゲイザー/ネオアコな白昼夢ギターサウンドには抗いがたい... ネオソウルもよろしいけど、やっぱりオルタナやギターロックが自分の出自だと意識させられる一枚。

更に自分の出自を掘ってくと根底にあるのがまぁ結局、ロキノン系で、その中ではBase Ball Bearを思い出補正込み込みだけど挙げたい。インディーズのバンドを主に聴くようになってからはフェス受け高速4つ打ち問題とかやらはぶっちゃけ対岸の火事でしかなかったのですが、その流行の引き金をゼロ年代に起こした一つの一介のロキノンバンドが責任を果たしつつも、あくまでギターロックに拘泥したアルバムを出したことはもうちょっと知られてもいいんじゃないでしょうか。まぁ一介のロキノンバンドだけど。でも一介のロキノンバンドの記事書いちゃったしね。とにかく、『C』やインディー期は好きだったけど今は離れた、という若若男女の世代の方々は沢山いると思いますが一度聴いてみてほしいです。

しかしBase Ball Bearやランクインしてないけど髭やチャットモンチーがこぞって素晴らしいアルバムを出したのはゼロ年代ロキノンバンドによる東京インディーへのささやかな反逆の狼煙か、とかオーバーな妄想しちゃったり。

で、その東京インディー。ceroや(((さらうんど)))も素晴らしかったですが、シャムキャッツに軍配を。艶やかな声色で歌われる清涼感あるネオアコは、微睡みながらも弛緩しすぎることなく進み、サビを排し、サイケな間奏をも見せる「CHOKE」が最高。蒸し暑い夜(ってまんま詞になってるけど)だけじゃなく春先の微睡みから夕方感まで想像力欠陥の自分でも手に取るように想起できる曲群。

清涼感をキーワードに挙げると最右翼はSpangl call Lilli line。恥ずかしながら今作で初めて知ったのですが、日本に昔からこんなマイスペースなバンドがいたのかと。他作品がまだ未聴なので比較できないのですが、全然今のバンドって印象。ダブ的浮遊感が漂う「iris」に、他の曲よりも音がさらに削ぎれてるにも関わらずいちばん耳を引かれました。ヤシの木のジャケットも含めとStefan Jós も中々の清涼感。4つ打ちだけど穏やかなキックの音はともすればアンビエントに聴こえるディープハウス。夏の暑い日に涼むためによく再生してました。

洋インディー(ロック)の良さが段々分からなくなってた昨今でしたが下半期頃からは徐々に復活。Apple Music万歳。登録する前はこんな記事書いてたのにね。その中でもViet Congが白眉でした。冷徹なポストパンクでも熱を帯びたサウンドは洋インディーロックインポも直ちに治すぐらい激薬。他にもReal Lies、Only Real、Homeshakeのダビーで夢心地な感覚が性に合ったり。

ポストクラシカルの名門、Erased TapesからリリースされたRival Consolesはベースラインを軸に展開していくミニマル作。なんかもうアンビエントなダブ出してくれれば無条件で絶賛しちゃいがちなんですけどその中でもこれがベストでした。そして同レーベルから出たDawn of MIDIはピアノ、ベース、ドラムの3ピース編成で、同じミニマルのRival Consolesと違い全体的に緊張感が支配していてポリリズムなビートジャズにも寄ってるのが特徴です。両作とも円がジャケットなのが面白い。

ピアノメインでここまでユーモラスに聴かせられることに驚いたRadicalfashion、そして同じくピアノメインでポストクラシカル原体験だったGoldmund。彼こそが自分が電子音楽の類いに興味を持った遠因なんですが、久々に出た新譜は優しいタッチで良作でした。

Erizonteの正直タイトル名や曲名が分からないアルバムは、Night on Earthのオープニング音楽みたいなおどけた感じで始まったと思いきや、おぞましい雰囲気の曲やピアノメインの曲があり、様々な表情を見せまるで映画サントラのよう。なんかOPNやArcaと違った意味で掴みどころが無いというか。

以上トップ10枚を寄り道しまくりながら書いてみました。年頭でCICADAを知って全く未知のR&B/Hip Hopやジャズに興味を持つも、3776のギターサウンドとダブ音響がやっぱり自分の原点だった、という感じですかね。CICADA次のアルバムで思いっきりダビーな曲入れてくれないかな...書いて分かったのはダブ、鋭利なギター、アンビエント宅録、清涼感の辺りが自分のツボですかね。来年はあら恋のアルバムに最も期待しつつ今年を締めます。