ねごと Presents お口ポカーン!! 〜Shall Re:dance? 真夏のミステリーツアー〜

 最初の曲は"NO"。今年に入ってからのイベントではこれを一曲目にするのが多い。ワンマンではほぼ初かな?粛々と始まり徐々に熱を帯びていく。ノイジーなギターと綺麗なピアノの旋律の対比がとても好きだ。

 いつものジャキジャキなオルタナギターではない甘いトーンのギターロックに、Those dancing days"Hitten"みたいな太いシンセをのせた2つ目の新曲が印象に残った。この手の曲はバンドのごく初期にしかありえないと思ってたので、フルアルバムを1枚出した後の新曲としてこれを持ってきたのは何だか新鮮。キーボードだけ変に異質感を放って際立たせてたのがおもしろい。

 今まで意図的にセットリストから排してたであろう初期の曲の"街"を一年ぶりに聞く。久しぶりに演奏したのは自信の表れだろうか。歌の合間合間にキーボードを弾き倒してた。破裂音みたいな音を使ったり、アレンジが以前と変わってたのかな。
 こうして新旧の曲を続けて聞くとバンドの変化をそれとなく感じた。初期の曲(Hello! "Z"頃までが顕著か)は盛り上がるのを前提にして書いた曲では無いのではなかろうか。
 そうした大げさに言えば「陰々滅々」とした曲調に惹かれた面もあるので、最近のインタヴューでよく話していたライブが盛り上がらないという悩みにはそれほど落ち込まなくてもいいとは個人的には思うのだが。




 実は初めはこのミステリーツアーに行くのはあまり乗り気ではなかったが、"Re:myend!"のPVを見て気が変わった。そして、その曲と"sharp ♯"が今日のハイライトだった。
 すごく勝手な思い上がりかもしれないが、これは一度諦め、傍観の季節を通り過ぎそれでも尚、どうにか頭を抱えながらもあくせくと抗おうとする曲に感じるのです。
 その様には儚さを感じ、息を呑まざるを得ない。(余談だが、自分が神聖かまってちゃんを気に掛けるのもそれが大きな理由の一つです)

 何より、この2つがねごとの今年出た最新の曲だという事実が素晴らしい。今が良いということはとても佳き事かな。