最近聴いてる音楽

せっかく前々エントリーの年間ベスト記事がTwitterで60おファボを頂戴したのに(本当にありがとうございます)、改めてブログを見返すと3年で6エントリーしかないザマだったのでこれからちょくちょく書いていきます(予定は未定だけど)。手始めに、年末から最近まで主に聴いてる音楽を3つに分類してみます。

ART-SCHOOL

よく絡んでもらってるフォロワーの方たちがみんな好きなので最近メインで聴いてます。という風に書くとまるで、会社の忘年会のカラオケのために好きでもない湘南の風を仕方なく同調圧力的に聞くOLみたいですが(実際そんな会話が昔TSUTAYAで聞こえてきたことがある)、Number GirlBase Ball Bearを高校の時に聴いてた自分にとってはギターバンドはとても馴染み深く、何度もリピートしています。去年は意識的にギターバンドから離れていってたので、聴いていて「ホームに帰ってきた」感が強く心地良い。

アルバム単位でいちばん好きなのは最初に聴き出した「Love / Hate」かな。冒頭の2曲がグランジで自分が以前から抱いてたアートのイメージに近いので。それともう一枚強く惹かれたのが「SWAN SONG」。再生した瞬間に圧倒されるこの感じ。高2の時に初めて聴いた「Loveless」の感覚を思い出しました。こういうアルバムは、例えば先に挙げたマイブラLoveless」やナンバガのラストライブ盤みたいに、そう易々と再生できるものではないなーと。溢れんばかりのダウナーなムードは有無を言わせません。

しかしこのバンドは10代のうちから聴いとくべきだった... 何故聴いてなかったかというと、初めてNirvanaを聞いた時の「ガンバルウェーイwww」という空耳がカートコバーンのキャラと違いすぎて爆笑しまくったあまりグランジ自体を以降避けてしまったという謎の原因です、、「Flora」とか出た時は高校生だったし絶対嵌ってただろうに勿体無いことを...

3776

静岡県富士宮市から生まれた、富士山の標高をグループ名に冠したアイドル・3776(みななろ)。自分が知ったキッカケはスカート・澤部渡の局地的に盛り上がった一連のツイートでした。




PavementやGalaxy 500のようなローファイなギターが耳を引く。そして何がすごいって歪なのにあくまでポップに着地するところ。スキットのような歌詞と踊りも相まってまったく変である。


特に好きな曲。ギターを弾きすぎないことで生まれるスカスカな音像にダブ処理を加えることで、歪なイメージをより強固に植え付ける。

そして昨年末に新譜「ラブレター」を出したのですが、これが凄まじかった... 年間ベストに間に合わず入れられなかったのを後悔するぐらい。(今年の上半期分にムリやりねじ込むけど)

歪なポップネスはそのままに、Black Sea期のXTCのような耳をつんざくソリッドなギターが気持ちいい。ロックサウンドを取り入れたアイドルの中でもこれは極北かと。そこに今作では変拍子をフィーチャーしており、ますます手の付けられない有様に。


更に先日のライブ映像がすごい。とうとうプロデューサー自らがアイドルのステージに立ってギターを弾き、メンバー・井出ちよのはルーパーを操り、最後は即興曲をやらかすという、最早アイドルだと前知識が無いと新手のユニットにしか見えないステージング。何より末恐ろしいのがそんなトピックスを抱えながらも最終的にはやはりポップになっている楽曲。この体制は初披露だそうですが是非とも続けて欲しいです。

メンバーの増減が激しく現在はついに1人になってしまったのですが、逆に1人になったことでやっと地に足が着いた感じがあり、今こそ見時なのかと思ったり。余談ですがアートスクールやくるりのドラマーの比じゃないくらいの脱退率でしたから。

とにかく、自分は3776を楽曲派アイドル(この呼び名も最近は蔑称らしいですが)の中で最も面白い一グループだと自信を持って言えます。

80'sニューウェーブNav Katze

で、上記2グループを遡ると共通してくるのが、ニューウェーブART-SCHOOLのキラキラしたアルペジオThe SmithsThe Cure、3776のソリッドなギターは先に挙げた通りXTCを参照しています。特にXTCは昨今のギターバンドの雛形になっており、貪るように聴いてます。

そしてその他で聴いてるのが、Nav Katzeという80年代中期から90年代中期まで活動していて、和製The Policeと呼ばれていた日本の女性3ピースバンド(のちに2人ユニットに)。

ムーンライダーズ岡田徹によるプロデュースの初期作は、歪ながらもあくまでポップであらんとする楽曲で驚愕です。この態度は3776にも共通するものが。そして特徴的なのがこの情緒を排したボーカル。まるで相対性理論を思わせます。しかもポスト・相対性理論は数あれど、プレ・相対性理論は珍しいかと。しかしそんなボーカルがこのニューウェーブなキラキラとしたアルペジオの楽曲に乗った時、得も言えぬ不思議なノスタルジアが生まれ、その様には感動せずにいられません。

時代を感じますが、凛とした御嬢様な風貌は美しい。一曲目の「夕なぎ」にもやはり不思議なノスタルジアを感じます。


ちなみに彼女らは初期はニューウェーブなのですが、ディスコグラフィを重ねるにつれ後期はテクノへ傾倒していきます。この曲も面白い。なんとAphex Twinによるリミックス。

しかしこのバンドは優れた楽曲の割りに知名度が追いついてないのが何とも口惜しい... SNOOZERのロック暗黒大陸ニッポンでは1stは75位、6thは121位に選出されてるにも関わらず。ある種、幻のバンドと化してます。もうちょっと有名になってほしいなぁ。そして願わくば再結成して生で観てみたいものです。



アジカンのゴッチがTwitterで口酸っぱく言っているのが、「ポップミュージックはツリーになっていて繋がっている」という言葉。自分もそれには同意で、一つのバンドを知ったらそのバンドが影響を受けたバンドも探る行為がより音楽を多角的に聴けるようにさせると思います。90'sから最近までの自分の好きなギターバンドの大きなルーツの一つには80'sニューウェーブがあるとやっと分かったので、これからも掘っていきたいです。