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CICADA「BED ROOM」

BED ROOM

BED ROOM


5人組バンドによる初のフルレンス。

「売れてるから一応cero聴いたけど、その後ルーツであるブラックミュージック掘ってない人(自分のことですが)らが参考の一つにできるアルバム」、それがずいぶん雑ながらも正直な最初の印象でした。

まぁ「cero以降」って単純な話ではないし、彼らは情報量が多くて単にブラックミュージックだけではないという断り付きですが。

しかし、ブラックミュージックの感覚を洒脱な都会のポップスに落としこむというceroと共通した部分には、思わず息を呑んでしまいます。

閑話休題。ゆったりとした楽曲が大半なのにアルバム一枚通してここまで聴かせる手腕には、賞賛を惜しまずにはいられません。エレクトロニカな音響で余白が多いながらもポップに鳴らすリードトラック「door」を初め、トライバルビートでアクセントをつけてる「フリーウェイ」、高揚感あるビートとピアノの調べとの対比が面白い「雨模様」など。

インタビューを読む限り彼らはかなりのリスナー体質らしく、その経験がこの「ありそうでなかった」上質なポップミュージックを生んだように思います。

最近Especiaと対バンしたとのことですが、彼女らと同じく'90年代J-POPの倦怠感がとても心地良く、一種の儚さを感じます。それはVo.城戸嬢のアンニュイな歌声によるものも大きいかも。強い美意識を持った楽曲とボーカルには惚れ惚れとします。

悲しいかな、テン年代の女性Vo.バンドは相対性理論チャットモンチー(あと椎名林檎)と比較されてしまいがちな運命ですが、彼女は違った。非ロックからのアプローチ故にそんな安い比較をスルリとくぐり抜けるボーカリゼーションで、それは痛快ですらあります。

敢えて欲を言わせてもらうと、ブラックミュージックを標榜してるならもうちょっと踊れるグルーヴが欲しかったかも...でもアンビエントな側面もあるし、これで正解かもしれません。アルバムタイトルにあるようにベッドルームで聴くことを想定してるようですし。

J-POP要素を含んだ音楽、昨今ではそれは流行りの一つになっています。例えばtofubeats赤い公園、Sugar's Campaign、Shiggy Jr.等。もしかしたら今年の終わり頃には彼らも一躍ブームの中心に仲間入りしてるかもしれません。そんな期待を伺わせる一枚。



追記:今ならこちらでフル視聴できるようです。 http://ototoy.jp/feature/2015013105